商標法条約 | ||
| 第十一条(権利の移転) | ||
| (1) | 【登録に係る権利の移転】 | |
| (a) | 名義人である者に変更があった場合には、締約国は、自国の官庁に対する標章登録簿における移転の記録の申請が、名義人若しくはその代理人又は権利を取得した者(以下「新権利者」という。)若しくはその代理人によって署名され、かつ、関係する登録の登録番号及び記録すべき移転を記載した書類によって行われることを認める。当該移転に係る申請書の提出に関する要件について、次の場合のいずれかに該当する場合には、いかなる締約国も、申請を却下してはならない。 | |
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(@) 申請書が、書面に記載されて提出された場合において、(2)(a)の規定に従うことを条件として、規則で定める申請書様式に相当する様式で提出されたとき。 (A) 当該締約国が自国の官庁に対するファクシミリによる書類の送付を認め、かつ、申請書がファクシミリによって送付された場合において、(2)(a)の規定に従うことを条件として、送付された書類の写しが(@)に規定する様式に合致するとき。 | ||
| (b) | 権利の移転が契約によるものである場合には、締約国は、申請書に、当該移転が契約によるものであることを記載し及び申請人の選択により次のいずれかのものを添付するよう要求することができる。 | |
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(@) 契約書の写し。当該写しについては、公証人その他の権限のある公の当局が当該契約書の原本と同一の内容であることを認証するよう要求することができる。 (A) 契約書における当該権利の移転を表示する部分の抄本。当該抄本については、公証人その他の権限のある公の当局が当該契約書の真正な抄本であることを認証するよう要求することができる。 (B) 規則で定める様式及び内容で作成され、かつ、名義人及び新権利者の双方が署名した譲渡証明書であって、認証されていないもの。 (C) 規則で定める様式及び内容で作成され、かつ、名義人及び新権利者の双方が署名した譲渡文書であって、認証されていないもの | ||
| (c) | 権利の移転が合併によるものである場合には、締約国は、申請書に、当該移転が合併によるものであることを記載し及び権限のある当局が発行する合併を証明する文書の写し(例えば、商業登記簿の抄本の写し)を添付するよう要求することができる。当該写しについては、当該文書を発行した当局又は公証人その他の権限のある公の当局が当該文書の原本と同一の内容であることを認証するよう要求することができる。 | |
| (d) | 移転が一部の共同名義人に係るものであるが全部の共同名義人に係るものではなく、かつ、当該移転が契約又は合併によるものである場合には、締約国は、権利の移転に関係しない共同名義人が自己の署名した文書において当該権利の移転に明示の同意を与えるよう要求することができる。 | |
| (e) | 権利の移転が契約又は合併によるものでなく、法令の実施、裁判所の決定その他の理由によるものである場合には、締約国は、申請書に、当該移転が契約又は合併によるものでないことを記載し及び当該移転を証明する文書の写しを添付するよう要求することができる。当該写しについては、当該文書を発行した当局又は公証人その他の権限のある公の当局が当該文書の原本と同一の内容であることを認証するよう要求することができる。 | |
| (f) | 締約国は、申請書に次の事項を記載するよう要求することができる。 | |
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(@) 名義人の氏名又は名称及び住所 (A) 新権利者の氏名又は名称及び住所 (B) 新権利者がいずれかの国の国民である場合には当該国の名称、新権利者がいずれかの国に住所を有する場合には当該国の名称及び新権利者がいずれかの国に現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有する場合には当該国の名称 (C) 新権利者が法人である場合には、当該法人の法的性質並びにその法令に基づいて当該法人が設立された国の名称及び該当するときは当該国の地域であってその法令に基づいて当該法人が設立されたものの名称 (D) 名義人が代理人を有する場合には、当該代理人の氏名又は名称及び住所 (E) 名義人が送達のためのあて先を有する場合には、当該あて先 (F) 新権利者が代理人を有する場合には、当該代理人の氏名又は名称及び住所 (G) 新権利者に対し 第四条(2)(b)の規定に基づき送達のためのあて先を有するよう要求する場合には、当該あて先 | ||
| (g) | 締約国は、申請に関し、料金を自国の官庁に支払うよう要求することができる。 | |
| (h) | 移転の記録は、当該移転が二以上の登録に係るものであっても、一の申請書で求めることができる。ただし、各登録における名義人及び新権利者がそれぞれ同一であり、かつ、すべての関係する登録の登録番号が当該申請書に記載されている場合に限る。 | |
| (i) | 権利の移転が名義人の登録に掲げる商品又はサービスのすべてには影響を及ぼさない場合において、関係法令がこのような移転の記録を認めるときは、官庁は、当該移転に係る商品又はサービスについて別個の登録を行う。 | |
| (2) | 【言語及び翻訳】 | |
| (a) | 締約国は、(1)に規定する申請書、譲渡証明書又は譲渡文書が自国の官庁によって認められた一の言語又は二以上の言語のうちのいずれか一の言語で作成されるよう要求することができる。 | |
| (b) | (1)の(b)(@)、(b)(A)、(c)及び(e)に規定する文書が締約国の官庁によって認められた言語で作成されていない場合には、当該締約国は、当該官庁によって認められた一の言語又は二以上の言語のうちのいずれか一の言語で作成された当該文書の翻訳文(認証されたものを含む。)を申請書に添付するよう要求することができる。 | |
| (3) | 【出願に係る権利の移転】 | |
| 権利の移転が出願又は出願及び登録の双方に係る場合には、(1)及び(2)の規定を準用する。この場合において、関係する出願の出願番号が付されていないとき又は出願人若しくはその代理人が当該出願番号を知らないときは、申請は、規則で定める他の方法で当該出願を特定して行うものとする。 | ||
| (4) | 【その他の要件の禁止】 | |
| いかなる締約国も、この条に規定する申請に関し、(1)から(3)までに定める要件以外の要件を満たすよう要求することができない。特に、次の要件については、要求することができない。 | ||
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(@) 商業登記簿の証明書及び抄本を提出すること。ただし、(1)(c)の規定が適用される場合を除く。 (A) 新権利者が工業上又は商業上の業務を行っている旨を表示し及びこのことについての証拠を提出すること。 (B) 権利の移転によって影響を受ける商品又はサービスに係る業務を新権利者が行っている旨を表示し及びこのことについての証拠を提出すること。 (C) 名義人が事業又は関連するのれんの全部又は一部を新権利者に譲渡した旨を表示し及びこのことについての証拠を提出すること。 | ||
| (5) | 【証拠】 | |
| 締約国は、自国の官庁がこの条に規定する申請書又は文書に記載された事項の真実性について合理的な疑義を有する場合には、証拠又は(1)の(c)若しくは(e)の規定が適用されるときは追加的な証拠を当該官庁に提出するよう要求することができる。 |